第15回 ママのためのレクチャー
「博物館演習・ポッジ宮博物館の日本美術コレクションーその2」
昨年春に見学して好評だったポッジ宮博物館演習ですが、今回は同館の日本美術コレ
クションの展示室で開催中の展覧会「日本美術における自然のイメージ」を東洋美術
研究所の所長、ジョバンニ・ペテルノッリ先生にご説明を伺いながら、その素晴らし
い作品群を皆で鑑賞させていただきました。
ペテルノッリ先生自らコレクションなさっていた、明治時代から大正時代に活躍した
花鳥画を得意とした日本画家、渡辺 省亭(わたなべ せいてい、1852-1918)の作品を中心に鑑賞していきました。
省亭は、日本の画家でとしては初めてパリに渡って西洋美術を目の当たりにした人物
で、印象派の作家、ドガやマネとも交流があったそうです。数年間のパリ滞在の後、
帰国後は洋風表現を巧みに取り入れた、洒落た花鳥画を得意としていました。実際、
特にその切れ味の良い筆さばきは素晴らしく、花鳥画の美しさとセンスは卓抜した才
能があふれているようでした。
省亭の浮世絵(木版画)技法による出版物(画集)も、展示されているのですが、そ
れはそれは素晴らしいものばかりで参加者は皆、その魅力にため息をつきながら、先
生のお話に耳を傾け、熱心に鑑賞していました。
他にも、北斎をはじめとする絵師たちの浮世絵、自然をうまく取り入れた装飾的な工
芸の作品群も本当に美しい貴重なものばかりでした。
ペテルノッリ先生、今回も日本美術に魅せられた先生のたいへん熱のこもったお話
に、皆、感動さえ感じておりました。本当にありがとうございました。
(レクチャー担当 烏丸)