まねきねこ便り 秋号

今年から季刊で文庫の本を紹介する文庫便りを発信していこうと思います。また、本にまつわる話や、子供たちの感想なども合わせてお伝えできたらと思います。日本から遠くイタリアに暮らす私達にとって絵本や童話は日本語の響きを伝えてくれる大切なコミュニケーションの手段ですが、それ以上に、慌ただしい日々の中で本を読むその時、私達は子供と一緒に話し、笑い、時間を共に味わうことが出来るのではないかと思います。今の私達の子供たちが、大きくなった時にお母さんと本を読んだその時間が暖かな思い出として残ってくれることを願います。

こちょこちょ 0・1・2シリーズ 福知伸夫(作) 福音館  
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ちょっとすましたねこやかえるやにわとりが、こちょこちょっとしたとたん、身をよじらせて大笑い。木版画で描かれた生きものたちのくすぐったそうな様子が楽しく、子供と一緒にこちょこちょしてみたくなる絵本です。(0~3歳向け)



おしり 幼児えほんシリーズ 三浦太郎 講談社

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赤ちゃんと動物の「おしり」 ぶたさんのまあるいおしり、ぞうさんの大きなおしり、大好きな動物達の後は、「わたし」のおしりがオムツの下に! 淡い色調の挿絵がかわいい幼児えほんです。(0~3歳向け)   



かさぶたくん やぎゅうげんいち 福音館
 
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かさぶたって何でできているの?という子供の素朴な疑問に答えてくれるユーモアな科学絵本。自分の体の仕組みがこんなにもうまくできているんだ、ということを知るのも子供たちにとっては大きな発見です。でも、イタリアではかさぶたをつくっている子が少ないように思うのは私だけでしょうか。(幼稚園年中~低学年)


ともだちくるかな 内田麟太郎(文) 降矢なな(絵) 偕成社
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自分の誕生日の朝、早くから部屋を掃除して誰かが来るのをオオカミは待ちます。オオカミさんシリーズ第2作。オオカミと仲良しのキツネとの間の友情には、子供の友達への期待や焦燥、憧れといった一言では表せない心情がユーモアを交えて巧みに描かれています。文庫には「あいつもともだち」「きになるともだち」「ともだちごっこ」も並んでいます。(幼稚園年中~低学年)     


そらうで 狂言えほん もとしたいずみ(文)たごもりのりこ(絵)     
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たろうは、おくびょうなくせに、いつも空腕(うその腕じまん)ばかり言っています。そんなたろうに、ある夕方、主人は使いを言いつけました。たろうはしぶしぶ出かけますが、暗い山道がこわくて、こわくて…。居丈高な人物を面白おかしく描く狂言えほんは、昔話とも創作絵本ともまた違う楽しみ方ができます。講談社狂言えほんシリーズの一作。     

                                         

ママお話聞かせて 1・2巻    松谷みよ子・日本の民話会 小学館

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日本と世界の名作昔話が一巻に47話収められています。このようにたくさんのお話を集めた本は、挿絵が少なく物足りないことが多いのですが、このシリーズではこどもたちに人気の絵本画家さんたちの挿絵がページの半分をぎっしりと埋めています。文章も、童話作家であり民話の研究家でもある松谷みよ子さんが監修され、読みごたえがあります。また、子供たちに、たくさんのお話の中から好きな物を選ぶ楽しさを与えてくれるシリーズでもあり、「お話をたくさんよんでやりたいけど持って帰るのが重たくて…」というお母さんにも最適。(3歳以上)



とりかえっこちびぞう 工藤直子(文)広瀬弦(絵) 学習研究社

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元気なちびぞうは好奇心旺盛。何にでもなってみたいのです。散歩の途中ライオンのたてがみと、しまうまのしっぽと、わにの歯とさいの角と次々とりかえっこをして…。象さんの変身がコミカルで次の変身を期待しながらついつい読み進んでしまうお話です。詩人でもある児童文学作家工藤直子さんの代表作のひとつです。絵本から字の多い読みものに移る過程で読むのにも良い本です。(幼稚園年中~小学校低学年向き)



きのうの夜おとうさんがおそく帰ったそのわけは… 市川宣子(文)はたこうしろう(絵) ひさかたチャイルド

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手に取る前に「子供向け?」と疑問に思ってしまうタイトルになっているのが、市川宣子さん独特のユーモアなのでしょう。お話は、前日遅くに帰って来たお父さんが息子にその理由を語るのですが、「実はあなをほっていたんだよ…」と突拍子のない理由なのです。「なんでお父さんまだ帰ってこないの?」と言う子供に読んであげたい一冊です。(小学校低学年~中学年)


獣の奏者 闘蛇編 上橋菜穂子 講談社
けっして人に馴れず、また馴らしてもいけない獣とともに生きる、宿命の少女・エリンの物語。獣ノ医術師の母と暮らす少女、エリン。ある日、戦闘用の獣である闘蛇が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は処刑されてしまいます。孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに助けられて暮らすうちに、王獣の医術師になろうと決心するエリンでしたがその道のりは長く…。全4巻からなる壮大なファンタジー。(中学生から大人まで)


ぼくも、わたしも、よんだよ!
今回は、文庫の置いてある研究所で日本語の勉強会をしている子供たちが、本を読んで思ったことや、紹介したい本について作文をしてくれました。

1年生の子供たちは「ぞうっていいな」(作・富安陽子 絵・和歌山静子 福音館)を読んで、自分がなりたい動物とその理由を下のように書いてくれました。

・ぼくは、わにっていいなあとおもいます。つよそうだし、にんげんをびっくりさせたいからです。(陽(ひ)路(ろ)くん)

・わたしはとらっていいなあとおもいます。つよそうだし、いろいろなおにくをたべるからです。(麻耶(まや)さん)

・わたしはらいおんっていいなあとおもいます。つよそうだし、わたしのせいざだからです。(侑(あり)さん)

2年生は自分の好きな本を選んで、お話の中で気に入ったところを書いてくれました。

・「ぜんまいざむらい」 (小学館)
まっちゃというねこがいましたが、つかれてあくびをしたら、おせんさんにおこられました。つかれたまっちゃのかおが、とてもおもしろかったです。そのあとぜんまいさむらいは、ねこたちをたすけてあげました。(立琴さん)

・「さわがにべんべ」(著・七尾純 久保秀一 偕成社)
べんべは、きしにながれついて、しんだやまめをたべました。かにがかつのがすきです。(暢(のぶ)久(ひさ)君)

・「つんつくせんせいとくまのゆめ」(作・たかどのほうこ ブレーベル館)
ほんのなかで、くまさんたちが、これからねむるところがすきです。かわいいからです。(笑(え)美子(みこ)さん)

・「はちゅう類・両生類 小学館の図鑑NEO」(小学館)
カモノハシガエルは、おやの口からうまれます。コヤスガエルは、おたまじゃくしでなくて、かえるのかたちでうまれます。しゃしんがかわいいのですきです。(洸至(たけし)くん)

・「たんじょうびのごちそう」(著・木村裕一 絵・黒井健)
わたしがすきなのは、「まもなくたのしいパーティーがはじまりました。『うん、これも、これも、たべてみるとおいしいね。』『ほんとだ。』『おいしいわ!』みんなは、にこにこ。うさぎさんもにっこにこ」でした。みんながいっしょにおいしいごはんをたべられたからです。(エレナさん)

清水先生クラスは、「はれときどきぶた」(作・矢玉四郎 岩崎書店)をよんで、もし日記に書いたことが本当になるのだとしたらどんなことを書くか想像して作文をかいてくれました。

本の要約
この本は、日っきを書いている男の子のはなしだった。お母さんがかってにそのにっきをよんでしまった。ばくはおこってあしたの日っきをかくことにした。しかし、書いたことが、つぎのあさ、ほんとうにおきてしまった。

「もしわたしの日っきに書いたことが本とうになるのならば」

・ルーチェさん(8歳)
今日は、わたしのおとうさんのたん生日です。二人でそとにでかけてうれしかったです。たん生日ケーキをたべました。ケーキの形はまるくてチョコレートと生クリームのケーキです。わたしたちの大好きなあじで、ほっぺたがおちるぐらいおいしかったです。

・さらさん(10歳)
今日は、どうぶつえんのどうぶつたちがおうちにきて、うちをこわしてしまいました。わたしは、おどろきました。いじわるなどうぶつだとおもいました。しかし、どうぶつはわたしたちにあやまってもっとすてきなおうちをつくってくれたのでうれしかったです。

・賢(けん)くん(8歳)
今日は学校のあとウィーのゲームがぜんぶふっていました。ぼくはうれしくてあさからよるまでウィーでかぞくとあそびました。

小林先生クラスは、まねきねこ文庫のおすすめ本を紹介してくれました。

・光司(こうじ)君(9歳)
 ぼくが、しょうかいしたい本は「世界の伝記ベートーベン」です。
 このほんは、ベートーベンがどんな生活を送ったかを説明している本です。印象に残ったことは、耳が聞こえなくてもピアノを弾き続けたり、作曲したりしていたことです。
 この本を読んでベートーベンという作曲家はすごい人だと思いました。
 でも、ベートーベンみたいにいっしょうけんめい練習したら、ベートーベンみたいになれると思います。(著・よしかわ進 監修・野田暉行 集英社)

・ケンタくん(10歳)
ぼくは、「伝説の迷路」をしょうかいします。
この本は、いろいろな伝説のばめんで迷路が楽しめる本です。
たとえば、ヤマタノオロチの伝説では、オロチの頭からしっぽまで迷路をします。
また、村で迷路をしながら、かくれているようかいをさがすのがおもしろいです。(著・香川元太郎 PHP研究所)

・明(あきら)くん(8歳)
 ぼくは、「アレクサンドロス大王のてい国 古代ギリシア・ローマ」をしょうかいします。
 この本は、まんが本です。
 マケドニアとローマの事について話しています。
 この本で、すきだったところは、アレクサンドロス大王がせん争で勝ったときです。
 なぜなら、王さまの仕事は、せん争に勝つ事だからです。(著・三上修平 画・古城武司 集英社)

次号はお正月明けになります。皆さんの子どもと本を読んだ時の感想や体験などもぜひ文庫係井口(kaharu@virgilio.it)までお送りください。

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by manekineko-bo | 2011-11-15 18:49 | 文庫